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悪者の側に置かれて

「宇宙へ。」

原題:ROCKETMEN
監督・脚本・製作総指揮:リチャード・デイル
製作:マイケル・ロビンス、マイク・ケンプ、ティム・グッドチャイルド、ピーター・パーナム
音楽:リチャード・ブレア=オリファント
編集:ピーター・パーナム
2009年イギリス映画
上映時間:98分

BBC製作による、NASA宇宙開発のドキュメンタリー映画。
大部分が既存の資料映像によるものなので、「アトミック・カフェ」のようなエディトリアル・ドキュメンタリーというジャンルに近いか。

60年代~70年代のマーキュリー計画、ジェミニ計画と続き、そしてアポロ計画へ、月面着陸へ、といたるプロジェクトが一つのハイライト。

プロジェクトの壮大さもさるものながら、飽くなき前進の結果ついに人が月に降り立つという映像に興奮する。サルが成功したら有人へ。有人が成功したら、有人地球周回へ。それが成功したら、宇宙遊泳へ。宇宙遊泳が成功したら宇宙船のドッキングへ。次へ次へ・・・と前進し続ける一直線の進歩と、その展開をたった10年やそこらでやってしまうスピードに「時代性」を感じずにはいられない。

これを同時代に体験した世代と、もはや月へ人が行くことのない「以降の世代」では、根本的な感覚も違っているのではないか。そんな気すらしてくるような。

今ではそんな国家プロジェクトは存在しない。映画中でも、ベトナム戦争の泥沼化によって、膨大な金を食う月への有人飛行が途中で中止されたことが語られる。

「かつて科学は無前提に善であった。今はいつのまにか悪者の側に置かれていることにとまどう・・・」

こちらは(正確な引用ではないので恐縮だが)、今読んでいる佐藤文隆氏の「科学と幸福(岩波現代ライブラリー)」の中で紹介されている、あるアメリカの物理学者による文章の一部。※佐藤文隆「先生」と言えば、僕がかつて理学部のとあるボックスでごろごろしているとき、友人が退官記念講演を聴きに行くと言っていたのを覚えている。

とはいえ、宇宙開発も科学の営みも終わったわけではない。ただ、時代は大きく変わった、ということ。


ところでこの映画、いろいろ調べてみると、どうやら日本で公開されただけみたい。原題で検索してもまったく引っかからない。

ディスカバリーチャンネル向けに作られた"WHEN WE LEFT EARTH: THE NASA MISSIONS"という大作シリーズから抜粋したもの、というのが真相のよう。
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Author:salisalix
進化・生態学の研究者(ぽすどく)。フィンランドで修行中⇒帰国。現在、トーキョー・キョート・シガをうろうろ

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